2021.11.29
南大泉図書館分室「こどもと本のひろば」が文部科学大臣表彰を受賞
JCSが運営受託している練馬区立南大泉図書館分室「こどもと本のひろば」が、2021年4月23日、文部科学大臣表彰の令和3年度 子供の読書活動優秀実践図書館を受賞しました。この表彰は、子どもの読書意欲を高める活動をテーマに、特色のある優れた取り組みを実践している学校や公共施設を評価するものです。このたびの受賞は「こどもと本のひろば」で開催したおはなし会を中心に、児童の読書促進、家庭での読書支援、学校との協力体制など、総合的な活動が評価されました。
図書館が取り組む地域貢献
「こどもと本のひろば」は、乳幼児から小学校低学年までの子どもと保護者を対象にした図書館です。JCSは、2010年から子どもの発達段階に応じた行事や、地域が一体となり取り組める企画運営を行っています。
日本国内の図書館では、来館人数と貸出冊数の2点による満足度評価が定着しています。「こどもと本のひろば」がある練馬区立南大泉図書館は、親子の結びつきを強める施策や、行政機関と連携した子育てのお悩み相談など、従来の満足度評価とは異なる地域貢献にも力を入れています。その結果、2020年11月に集計したアンケート調査では、約94%の来館者が「満足」と選んで回答しました。
※練馬区の2020年11月集計データ:回答数264件
JCSの強みを活かした、多言語による「おはなし会」
多言語による絵本の読み聞かせは、外国の言葉に子どもが興味を示すきっかけになり、親子のスキンシップを促す効果が期待できます。子どもの発達段階に応じた3ヵ国語(英語、中国語、韓国語)の読み聞かせイベントは、「学び」よりも「楽しむ」ことを重視して開催しています。
このイベントは、手あそびや歌、パネルシアターといった各種プログラムを全て多言語で実施しています。外国からの参加者に配慮することで、国内外の参加者同士の交流を深める場としても注目を集めています。
保護者が対象の「英語の読み聞かせ講座」
図書館だけで読書習慣が完結しないよう、家庭内の読書支援に力を注いでいます。ご自宅で英語絵本が楽しめるように、保護者向けの「英語の読み聞かせ講座」を開催し、地域の読書環境の改善に努めています。
保健所と連携した「絵本と歯ブラシで親子のコミュニケーション」
自治体主導のもと、保護者が「子育ての悩みや不安」を保健所の職員に相談できる機会を設けています。絵本の読み聞かせをきっかけに、保護者が相談しやすい環境を整えることは、子育ての支援活動の一貫として大切にしています。
近隣農家と連携した「練馬大根を育て観察する体験学習」
農業が盛んな練馬区の特性に注目し、近隣農家と連携した「体験型食育活動」を実施しています。特産品である練馬大根の種まきと収穫、たくあん漬けの体験など、農業の魅力に触れられる親子向けプログラムを企画しました。これらの取り組みは、生産者と消費者の繋がりを深める効果が期待でき、地域農業を活気づける役割にも貢献しています。
「みらいの図書館」の普及に向けて
図書館は、教育基本法で社会教育施設に位置づけられています。文部科学省の教育振興基本計画では「知の拠点」と表現されています。地域創生の視点から見ると、図書館は情報・文化・教育の重要な拠点であり、企業と地域による連携・共創活動は、これからも注力すべきテーマと言えます。
JCSは、地域住民や公共事業に関わる全ての人を幸せにすることを事業理念に掲げ、地域の力を活かし、地域とともに歩むをコンセプトにしています。これからも地域の魅力を発掘しながら、人と人とのコミュニケーションを大切にした「みらいの図書館づくり」を推進して参ります。