2023.09.20
イベントで余ったお弁当を安全にお届け、 「こども食堂」と連携して実証実験を実施
日本コンベンションサービス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:近浪 弘武、以下JCS)は、イベント開催時に余ったお弁当を「こども食堂」に届け、食事を必要としている方に召し上がっていただく、食品ロス問題に取り組む実証実験を8月31日(水)に実施しました。
本実証実験では、都内2カ所のこども食堂と連携し、JCSが株式会社西武リアルティソリューションズと共同運営するカンファレンス施設「紀尾井カンファレンス」(住所:東京都千代田区紀尾井町1番4号 東京ガーデンテラス紀尾井町内)で開催された会議の昼食提供が終了した後、未開封のお弁当をこども食堂に配送し、利用者に召し上がっていただきました。
国際会議や大型イベントの開催にあたっては、参加者のための食事手配が必要となる一方で、当日キャンセル等に伴うフードウェイスト(食品ロス)の発生が課題となっています。主な原因としては、当日キャンセルにより参加者数が予定していた人数を下回ることや、お弁当の不足を避けるために注文数量自体が多くなりやすいといった事情があります。
JCSでは2022年9月にプロジェクトの検討を開始。こども食堂側のニーズ調査や、お弁当会社との調整、食品の安全管理のための保管・輸送プロセスの構築、食品衛生検査など、準備を進めてきました。
こども食堂との連携にあたっては、認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下「むすびえ」)のご協力のもと説明会を実施。応募があった団体の中から、「こども食堂 がるまる」(東京都足立区)、「(一社)子ども村ホッとステーション」(同 荒川区)の2カ所のこども食堂を今回の協力先として選定し、お弁当をお届けしました。
【 実証実験概要 】
■提供数:4種類 合計20食
■提供先:「こども食堂 がるまる」(東京都足立区)10食
当日は、紀尾井カンファレンスで午前中に開催された会議で、昼食用のお弁当を実際に提供しました。お弁当には本実証実験の概要を書いたカードを添え、召し上がっていただく会議参加者にも趣旨がわかりやすく伝わるよう配慮しました。
会議の参加者からは「子どもたちに対する意義が感じられ、共感できた」「プライベートでも買いたくなるようなお弁当だった」「やさしい味付けで大人も子どもも美味しく食べられる」といった感想が寄せられました。
こども食堂へお届けするお弁当は、輸送用のクーラーボックス内に、保冷剤と測定ログ機能付きの温湿度計とともに保管。安全性に配慮し、低温で管理するとともに、保管温度の異常があれば目で見てすぐに気づくことのできる環境をつくったうえで、こども食堂へ輸送しました。
こども食堂では、到着したお弁当を仕分けし、会食形式で利用者に召し上がっていただきました。お弁当を食べた家族からは「普段は揃えることが難しい食材もあり、ここまで野菜が豊富だとは思わなかった。お肉もあり、子どもも好んで食べていた」「たくさん量があり、食べ盛りの子どもにはちょうどいい」、子どもからは「魚の大きさにびっくりした。お肉も美味しかった」といった声が挙がりました。
本実証実験に立ち会っていただいた関係者のコメント
「こども食堂 がるまる」代表 宮本明彦さん
世の中には食事を取りたくても我慢している家庭がたくさんあります。まだ食べられるお弁当を処分してしまうのは本当にもったいないことです。本日いらした親御さんの中には、「捨てるのだったら欲しい。子どもたちに食べさせるのは大変だから」と日頃から仰っている方もいます。その一方、お弁当を提供いただける機会はなかなかありません。本日提供いただいたお弁当は魚や野菜などが豊富でバランスも良く、実際に召し上がった方々はとても喜んでいました。一家庭でも多く、一食でも多くお弁当を提供でき、大変うれしく思います。
「むすびえ」事務局 梅林千香子さん
我々のような中間支援団体という立場では、お米やレトルト食品など賞味期限が長いものを扱うことが多く、お弁当のような短い期限のものを扱ったことはこれまで多くありませんでした。お弁当の提供は衛生管理が肝となり、私たちはその点を特に重要視しています。今回、品質管理や温度管理の面からもお弁当会社や配送会社を選定してもらったことで、安心感を持てました。本来であれば食べられる状態のお弁当を捨てずに、食事を必要としているこども食堂に安心して提供することができたと思います。
JCSでは本実証実験の結果を踏まえ、今年度中を目途にプロジェクトの本格実施を目指し、商品提供に向けた準備を進めてまいります。