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2021.05.12

JNTO初!国際会議の海外キーパーソン向け「ONLINE Meet Japan」開催の裏側をインタビュー


日本政府観光局(JNTO)が主催する「国際会議海外キーパーソン招請事業(Meet Japan)」は、国際会議の開催地決定に影響力のある海外のキーパーソン(バイヤー)を日本へ招聘し、会議の日本誘致を促進するための取り組みです。1989年から始まった本事業は、31回目を迎える2020年度、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、初のオンライン開催に踏み切りました。

今回のMeet Japanは、デジタルプラットフォームと動画コンテンツを活用して、2021年1月26日(火)~2月4日(木)に開催。MCI-JCS Japanは、セミナーや商談会、都市視察など、オンラインイベントに関わる準備・運営を担当しました。本記事では、主催者であるJNTOの担当者様をインタビュー取材し、開催に向けて注力したポイントや今後の展望についてご紹介します。

インタビューに応えていただいた方

独立行政法人 国際観光振興機構
日本政府観光局
MICEプロモーション部長 川﨑 悦子 様


関西大文卒。1992年に国際観光振興機構(日本政府観光局 JNTO)入構。京都、東京、ニューヨーク勤務などを経て、2009年からコンベンション誘致部(現:MICEプロモーション部)で訪日MICE誘致活動に従事。日本のMICE発展のため、地方自治体の協議会等の委員も兼任。

オンライン都市視察の動画、キーになるのは
「登場人物」

川﨑様 オンライン上で「日本の開催都市」への興味・関心を深めてもらうには、何のツールを使い、どんなコミュニーケーションを想定しておくべきか、事前の設計・準備には多くの時間を費やしました。

色々と考えた結果、これまで実施してきた2つのプログラム「都市視察」「商談会」の他、バイヤー向けのセミナーを新たに加え、オンライン上で魅力的に展開し、参加者が有意義な時間を過ごせるよう追求しました。特に「オンライン都市視察」の動画は、バイヤーが開催都市を選ぶ際、選定の判断材料が多く含まれるコンテンツだったので、脚本や映像構成にはこだわりました。例えば「各都市の主要な人物」が登場する演出に力を入れてみたり。誰が出演すると効果的なのか、どこの施設やベニューをフィーチャーすると関心度が高まるのか、地域のコンベンション・ビューローの方と協議しながら多角的な視点で検討しました。

川﨑様 イベント終了後、「コンベンション・ビューローや観光事業者の方が直接説明してくれたことが良かった!」というバイヤーのアンケート回答(高評価)が多かったので、狙いは的中しました。 視聴してくれたバイヤーの皆様が親近感を持ってくれたようで、嬉しかったです。実際に開催地を「リアルで視察」する際は、会議施設やユニークベニューだけでなく、文化や食などその地域を良く理解している人がアテンドしますよね。それを映像で再現したかったのです。

バイヤーファーストで映像を制作した結果、オンラインという特殊な環境で評価を頂けたのは、私たちにとって嬉しい発見であり、自信になりました。

オンラインは「知る」「気づく」を
提供するのに最適

川﨑様 海外バイヤーが関わる会議の開催地を決める際、オンライン環境では限界があることがわかりました。アンケート結果では「開催地は、しっかり現地へ訪れて、自らが本物を見て決めたい。」というバイヤーの声が多数を占めていたのです。
一方、開催候補地の魅力を「知る」「気づく」きっかけを提供するのには、オンラインは有効であると認識できました。普段なかなか日本に来られない、あるいは日本の情報に触れる機会が少ない人に対して、オンラインは「気軽に情報閲覧できる」機会を創出してくれます。その恩恵を受け、今回開催した「ONLINE Meet Japan」では、多くのエンゲージメントを獲得するのに成功しました。

強みは磨き、弱みは発想転換して
「価値」を求める

川﨑様 先日、JNTOでは「MICE誘致・開催」に関わる実務者向けの研修会を実施しました。そこでSWOT分析をやったのですが、まず最初に「ターゲット」を設定した上で分析を始めることが大切なのだと、皆さん講義で学んでいたと思います。MICEと言っても、国際会議なのか、インセンティブ旅行なのか、コーポレートイベントなのか、どれを主語にするかでターゲット層は大きく異なり、分析テーマもそれぞれ異なる内容になります。

今回の「ONLINE Meet Japan」を例に挙げても、同じことが言えます。通常バイヤーは「市街地から離れている場所」は移動に時間がかかるため、開催地としては敬遠しがちです。しかし、昨今の情勢を踏まえると、そのようなところは”人混みを回避して安心・安全が確保できる場所”として、主催者にも参加者にも安心感を持っていただけます。これらの要素を踏まえ、発想転換したのが、オンライン都市視察で採用した演出です。MICE関係者のニーズをリサーチし、弱みを強みに変える発想が、オンラインイベントを成功させる「要因」になると確信しています。

JNTOが考える「今後」のアクション

川﨑様 人の往来が制限される現在、「映像」や「言葉」をどれだけ使いこなせるか、ここに注力したいと考えています。MICEの主催者に対し、日本の開催都市を忘れずに記憶へ留めてもらうには、相手の印象に残る“強力なコンテンツ”が必要です。現在、JNTOではFacebookやLinkedInを活用し、国内外に向けて情報発信しています。今後はこれらSNSも視野に入れ、さらに「オンライン都市視察」の動画を活用し、各々の“都市の魅力”を届けるための事業を検討していく予定です。そして、具体的なチャレンジや成果を紹介した「ケーススタディー」を積極的に発信して参ります。

MCI-JCS Japanによる
「デジタルソリューション」を活用した
イベント支援

MCI-JCS Japanは、「ONLINE Meet Japan」で実施したオンラインセミナー、オンライン商談会(マッチング制)、オンライン都市視察(映像の企画・制作)を含んだ事業の準備・運営を担当しました。私たちは「MICE開催地に選ばれる日本!」を世界へ強力にアピールできるよう、デジタルソリューションを活用したイベント開催支援や映像プロデュース等を行っています。ビジネスインバウンドの課題解決に向けたサポートなど、何かお悩みがありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

  • 写真左から、MCI-JCS Japan 本間尚、JNTO:野村佳世様、川﨑悦子様、<br />
MCI-JCS Japan 荷宮 万裕美 写真左から、MCI-JCS Japan 本間尚、JNTO:野村佳世様、川﨑悦子様、
    MCI-JCS Japan 荷宮 万裕美

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