2018.09.19
文字起こし・要約の「最適な手法とトレンド」を紹介
このコラムでは、商談先との打ち合わせや社内の会議録を作成したり、セミナーや講演、学会、インタビュー、対談などを記録する業務が多い方に、ベストプラクティスをお届けします。
最近では、スマートフォンのカメラ性能やアプリの音声認識機能などの精度が飛躍的に向上し、これまでに比べると格段に記録をとるのが簡単になりました。しかし、ボイスレコーダーや文字起こしのアプリを使用しても悩みが解決しない場合がありますよね。記録した音声の質が悪かったり、録音を聞き返して文字に起こす作業が予想以上に大変だったりと、よくお困りの声を耳にします。そこで今回は、多様な議事録のニーズに対し、効率的な対応ができる予備知識とノウハウをご紹介します。
記録方法は、2種類に分けられる
様々なツールや手法を取り入れた記録方法が存在していますが、原稿の仕上げ方を大別すると「文字起こし」と「要約」の2種類に分けられます。会議記録や講演記録など、業務のニーズに対して利点が合致しているかを事前に把握しておくことが重要になりますので、特徴や表現方法の違いを詳しく解説します。
文字起こしとは
文字起こしは、「テープ起こし」や「音声起こし」「音声転書」など、様々な名称で表現されるケースをよく目にしますが、聞こえた音声をそのままテキストに仕上げることをいいます。文字起こしの編集方法は、用途に合わせて以下3つの仕上げ方があります。
- ケバ取り
最も一般的な編集方法で、ケバとして不要な語句を取り除きます。例えば「えー」「あー」など、話しことば特有の間投詞・嘆詞を削除します。「ちょっと」「まぁ」「ですね」といった意味を持たない相槌やしゃべり癖、ちょっとした単語の言い間違いなどを省いて、テキストデータを仕上げます。 - 素起こし
聞こえた音声をそのまま手を加えることなく文書化します。人間の脳は、間投詞やしゃべり癖を自動的に割愛して認識してしまいますので、発言をそのまま記録する作業は特別な訓練が必要です。裁判などの秘匿性の高い証拠書類や会話分析といった用途で求められる「厳密な文書」で使われる編集方法です。 - 整文
印刷物や閲覧資料など、ドキュメントの様式が決まっている文書に適した編集方法です。ケバ取りに加え、省略された主語や述語を補い、さらに文体を書き言葉に整えます。外部のお客様に提出する場合はこの編集方法がおすすめで、とても美しく読みやすい文章に仕上がります。
要約とは
要約は、発言をそのまま文書に起こすのではなく、話の内容を汲み取って三人称で要約して作成します。発言をすべて文書にすると数時間の会議では相当な文量になりますので、お客様のご要望に合わせて文章を圧縮(カット)します。記録を簡潔に残したい方に推奨できる編集方法になりますので、ここでは重要なポイントを3つご紹介します。
- 音声の録音
簡単に録音できる今の時代だからこそ、業務の片手間で録音していたら、うっかりスイッチを入れ忘れちゃった!なんて事態は避けたいはずです。例えば、ICレコーダー1台のみで録音できそうな小さな会議でも、複数台を用いて録音することで、片方のICレコーダーだけでは聞き取れなかった音声をもう1台の記録音声を使って補うことができます。地道な作業でコツやテクニックも必要になりますので、プロの会社に依頼したほうが効率的です。 - 仕上がりのスピード
人が1分間にしゃべる文字数は、状況や人数などで変動しますが、およそ300~350字程度と言われています。日本語の言語だと、さらに漢字、カタカナへの変換作業も必要です。音声で聞いた内容を文章に書き起こす作業は、とても時間を消費します。
この問題を解決するため、プロの現場では「リスピーク」という手法を用いています。リスピークとは、文字起こしのプロ向けに開発された音声認識ソフトに対して音声内容を復唱して機械に認識させる技術(テクノロジー)です。SiriやAlexaに話しかける行動と似ていますね。現在普及している音声認識ソフトの多くは、まだ複数名の複雑な会話の読み取りには対応できていないため、リスピークの活用は大幅な工数削減を実現しています。 - 秘密の厳守
発表前の人事情報や会社の事業計画など、社内外に情報を広めたくない会議では「秘密の厳守」が極めて重要です。特に要約作成の場合は第三者が担当しますので、社員が作成した資料よりも客観的な視点で記録作成ができます。当社は、翻訳業界でいち早くプライバシーマークを取得し、機密保持を徹底した体制を早期に整えたこともあり、このような案件の依頼が多いのも特徴の1つです。
編集後記
どの程度記録をとるべきか悩んでいた方も、編集方法を大別して整理してみるとイメージが湧いてきたかもしれませんね。JCSが提供している「MOJIMOJIくん」のサービスは、文字起こしと要約のどちらにも対応しています。事前にお客様の用途をヒアリングした上で、適切な方法をご提案させていただきます。
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