コラム

2019.07.10

ネームバッジはもう古い!イベントの「ROI達成」に向けた新デジタルソリューションとは?


大規模な企業イベントや商談会、展示会、EXPO等の会場でよく見かける「ネームバッジ」は、イベントの参加者だけでなく関係者全員にメリットをもたらし、現在も進化し続けているのをご存知でしょうか?ネームバッジは、顧客データやエンゲージメントを集計・分析するのに欠かせないツールとして広く浸透しています。この記事では、昨今のIT・デジタル技術を用いて誕生した「スマートバッジ」について解説します。

最新イベントテクノロジー「スマートバッジ」

ネームバッジのデジタル版といえる「スマートバッジ」が登場するまでの経緯について、少し触れてみましょう。

イベント開催前、参加者の“名札”に関わる情報をスタッフが手作業で印刷してネームストラップに挿入していた時代から、瞬時にQRコードにアクセスして参加者情報がプリント可能なIOT時代に突入しました。結果、受付を待つ参加者の「長蛇の行列」は軽減され、同時に「人件費」も削減できたことで、主催の手間や参加者のストレスが大幅に改善されました。そして、この「ネームバッジ」をモチーフに、新たな革命が起きようとしています。

単なる名札の役割だけじゃない!

ネームバッジは、参加者の動向や思考などのデータが集計できる「スマートバッジ」に生まれ変わり、データを分析することで「イベントの最適化」が可能になりました。日本ではあまり知られていないスマートバッジですが、最新のトレンドを掴むには世界のケーススタディに目を向ける必要があります。では、どんな効果が期待できるのでしょうか?

参考事例として、カナダの企業「Klik」が提供している、“ウェアラブル・スマートネームバッジ”をご紹介します。以下プロダクト情報は、主催者だけでなく、イベント関係者全員に「有益なソリューション」を提供することができます。

  1. デバイスの形状は、首からぶら下げる「バッジタイプ」だけでなく、アームスリーブやリストバンドなど「ボタンで留めるタイプ」もありますので、会場やイベントの性質に合わせて使い分けることが可能です。
  2. デバイスは、身に着けている「参加者の動き」に反応します。例えば展示会の参加者が、事前に登録した「興味・関心のあるブース」の前を通った際、デバイスが点灯してブースの存在を本人に伝えます。ブース側のスタッフも、点灯した参加者のデバイスを見つけて、営業・アプローチすることが可能です。
  3. 参加者がデバイスを付けている間、主催側はすべての動きをモニタリングできます。セッションごとの「参加人数」「滞在時間」「行動履歴」など、主催者にとって重要なデータをリアルタイムで確認できます。
  4. 上記のデータを集計することで、参加者の行動パターンや傾向を「分析・考察」できます。

 

イベント・展示スポンサーのメリットは?

展示スポンサーは、参加者との「ネットワーキング構築」を通じて、有益な「見込み顧客の獲得」を目的としています。その目的達成を叶える手法の1つに“Exhibitor Web Portal”というポータルサイト開設サービスがあります。参加者に「自社製品の動画」を見せたり、スポンサー企業に「見込み顧客数」を管理させたり、出展ブースの「ビジネスマッチング数」を定量的に測定することができます。参加者のサイト閲覧履歴からは、「どのブース・製品に興味を持っているか?」という“参加者ニーズ”を事前に分析できるのが特徴です。

さらに、イベント開催前に「参加者とのアポイント設定」が可能な”Smart Match"というツールとAPI連携しておくと、参加者のニーズに合わせたコンテンツ開発や情報配信などがスマート化され、精度の高いコミュニケーションを準備・実行できるようになります。展示スポンサーと参加者の両者にとって、大きなメリットを提供することができます。

主催者のメリットは?

これまで何度もお伝えした「データが入手できる」という特性が最大のメリットです。参加者が今どこに集まっていて、スタッフがどこに配置されていて、何人が受付完了しているか?といった情報が取得できますので、データを根拠に「イベント運営におけるリスクマネジメント」の強化も図ることができます。視覚的にイベント会場が解析できる「ヒートマップ機能」を合わせて活用することで、より精度の高いソリューションが提供できるでしょう。

目標達成を計測する「アナリティックレポート」

イベント終了後、上記画面のような「アナリティックレポート」が作成できます。このデータは、イベントの目標達成を計測するために使用されますが、「次回イベント」の最適化を図るためにもデータ活用を推奨しています。競合他社の一歩先を行く“先進的なイベント”を実現するために開発されたデジタルソリューションは、イベントの効果(パフォーマンス)を左右する重要なファクター(成功要因)と言えるでしょう。

 

  • イベント参加者の情報 ※EU一般データ保護規則(GDPR)に沿った利用規約に同意いただけた参加者

    参加者の満足度・エンゲージメント率

    スポンサーにとっての金銭的なリターン

まとめ

今回ご紹介した「スマートバッジ」を初めとした“ウェアラブル テクノロジー”は、イベント参加者のEM(エンゲージメント)、ROI(投資対効果)等をデータを通じて可視化し、クライアントに価値を“数値”で提供する手法の1つです。このようなデジタル革命の動きに取り残されないよう、ぜひイベント開催のトレンドとして参考にしてみてください。

MCI-JCS Japan 株式会社

JCSが 世界最大級のPCO・AMCであるMCI Groupと共同で設立した会社です。増加するインバウンド需要に対応して、海外クライアントが日本でミーティングを開催するときにクライアントのニーズに的確に応えられるサービスを提供するとともに、MCI Groupが海外で実施している先進的なソリューションを国内クライアントに提供することを目指しています。

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