2020.01.08
企業としてSDGsにどう取組む?イベントの具体策をピックアップ!
SDGs(エスディージーズ)について聞いたことはあるものの、具体的にどんな取組ができるのだろう?そんな方はまだまだ多いのではないでしょうか。この記事では企業イベント開催において、比較的取り入れやすい施策をピックアップしてご紹介します!
SDGsとは?
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。(外務省HP「JAPAN SDGs Action Platform」より一部抜粋)
SDGsの推進は欧州が最も先行していますが、日本でも2020年、世界的スポーツイベントの開催が予定され世界中の視線が注がれており、国内でもSDGsへの取組が重要視されています。環境対策も世界規模で取り組むべき課題となっており、今後、企業活動を行う上で、SDGsへの取組は不可欠になってくると言えるでしょう。
事例1:イベント装飾に取り入れる
企業イベントの中で取り組むなら、「装飾」が最も取り入れやすいと言えるでしょう。たとえば誘導看板やバナーなど制作物の素材に着目してみました。
再利用できる制作物
企業イベントの中には、毎年行われたり、類似したものが複数回にわたって開催される例があります。その場合におすすめなのが、「年号」や「回数」を入れないデザインで施工物を作成することです。誘導看板であれば、講演会場・食事会場などはオフィシャルロゴと会場名をシンプルに表記し、方向を示す矢印マークであれば、貼ってはがせる素材を用意することで、両方とも「会場」や「設置場所」を変更しても毎回使用することができます。このような工夫で、実際に5~10年以上同じ装飾を使用されている企業は増加しています。
ゴミにならない素材を使用
演台やマイクの囲い、スポンサーボードやプログラム案内板など、プラスチックや金属を素材とする場合があります。エコが先行している国々では、段ボール素材など、海洋ゴミにならない素材を利用している例がたくさんあります。近年、国内でも丈夫な段ボール素材がたくさん開発されています。まずは企業イベントの備品の素材から見直してみるのも推奨できます。
事例2:スピーカー選定に配慮する
企業イベントの骨子となるプログラムを考える工程でもSDGsを意識する場面はあります。たとえば講演などで登壇するスピーカーの人選。いつのまにか人選工程で偏りが出てしまうといったケースも、少しの意識改革で改善できるかもしれません。
男女比のバランス
業界やテーマによっては、スピーカーの男女比に差が出てしまうことがあります。このような懸念が予想される場合は、プログラムを考える初期の段階で「男女比を〇:〇の割合にする」、「各パネルで必ず1名は女性を入れる」といった方針を立て、明文化したものを予め関係者間で共有しておくと良いでしょう。スピーカーを選定する際にその点が意識できているかで、構成も随分変わってくると思います。
多様性への対応
男女比のバランスはもちろんですが、更に、多様性を感じられるスピーカー陣営にすることで、より魅力的なプログラムになるでしょう。さらに、ダイバーシティへの意識変容を通じて、想定していなかった客層へのアプローチが可能になることもあります。会場で参加者アンケートをお願いする場合、性別の選択肢に配慮ができるかどうかで、そのイベント、ひいては開催企業のイメージを大きく左右することになります。
池田学展でのアンケート用紙。こういった配慮があったのに今日気づいた。 #池田学展 #ジェンダー pic.twitter.com/sfR4SS8AfF
— 🌼nana🗺️ (@smasun) 2017年3月11日
事例3:飲食関連ですぐに取り組める3つのアクション
SDGs先進国で行われているフードドネイション(食品の寄付)、フードバンク等は、日本国内では法律が整っていない面があり、実施にはまだまだ課題も多いのですが、今すぐに取り組めることはたくさんあります。
食数のコントロール
イベント内で提供する飲食の発注は、コントロール次第で食材・食品のロスを改善できます。イベントへの出欠確認をする際は、必ず「食事が必要か?」を確認しましょう。それだけでも大きな違いが出ます。SDGsへの取り組みの一環として「“食事の要不要”の回答へのご協力を」という趣旨を添えてお願いすれば、企業姿勢のPRにもなります。食数の変更期限は、会場やケータリング会社と初期段階で確認し、食数を精緻に調整できるようスケジューリングしていくことが重要です。事前に精緻な数を把握することが難しく、多めに飲食を発注をせざるを得ない場合も、国内でSDGsの理解が深まれば、今後は取組みやすいアクションになるでしょう。
ペットボトルの排除
SDGsがイベントのテーマであったり、その要素がコンセプトに含まれているなら、参加者へ「マイボトルの持参」をお願いしてみてはいかがでしょうか。スピーカーへの水提供もグラスと水差しのセットや、缶入り飲料を用意することで、主催者側でペットボトルの提供を止めることが可能です。また主催側でエコボトルを配布してウォーターサーバーを用意することで、ペットボトルの提供を止めたという事例も増えています。
サステナブルフードの取り入れ
サステナブルフードを提供するには、会場の協力が必須です。しかし、サステナブルフードへの取り組みを表明・展開している企業は増えています。予めこれらの企業のケースモデルを調査しておくと実現性が高まりますので、フードメニューを提案してもらう初期段階で検討してみましょう。一方、参考になる実績情報が見つからない場合は、食材の仕入れ等、会場側の協力を仰ぐ必要がありますので、時期に余裕を持って相談することをおすすめします。
明日開催のWomen in Techでは、環境に配慮し、ペットボトル飲料を配布せず、マイボトルご持参をお願いしております。
— Salesforce Japan Women In Tech (@sfjpwit) 2019年12月16日
(後ほどお送りするメールをご確認下さい。)
ご協力頂いた方はDreamforceのお土産が当たるチャンス!
楽しみながらサステナビリティへの取り組みが出来ればと思います😊 https://t.co/4okYivJmeZ
SDGsを重視した企業イベントは、明確な成功事例がカギです!
SDGsに対して、難しそうなイメージを持たれていた方も多いと思いますが、すでに取り組んでいる企業の事例などを参考にしながら少しずつ実施していくことで、主催者・関係者などイベントの関係者全員における理解が深まっていくでしょう。
JCS(日本コンベンションサービス)は、これまでに各種企業イベント、国際会議などの場において「SDGsへの取り組み」を積極的に重要施策として盛り込んだ運営を行ってきました。施策の企画から運営全般まで、数多くの経験値と実績を持つわたしたちに、ぜひ一度ご相談ください。
Written by 近藤 百合子
日本コンベンションサービス株式会社
ミーティング・イベントデザイン事業部 コーポレート・イベント部
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